チャレンジ!初級者のための白馬岳主稜!
白馬岳主稜は国内ではもっとも著名とも言える雪山バリエーションルートです。
地形的には「白馬岳東尾根」というべき尾根ですが、「主稜」の名が付けられているのはアルピニズム導入以降の命名であることを示しています。「鹿島槍東尾根」のようにその尾根が里まで降りることなく、また無雪期には急峻な藪尾根であって、古来より登山道さえつけられていなかったためかもしれません。白馬大雪渓と白馬沢の間を急峻に、殆ど登り一本調子で標高差1500mを切れ落ちています。
白馬岳主稜が初めて登られたのは1931年、昭和6年の3月のことで、奇しくもこれはヨーロッパアルプスにてマッターホルン北壁が初登攀された年にあたります。現在でも3月に主稜を登るのはなかなか大変ですが、当時の道具ではどれほど大変だったことでしょう。ヨーロッパでは同じ1930年頃にイタリアのローラン・グリベルが前爪を備えた12本爪アイゼンを開発しているので当然まだ日本には輸入されていないと思われます。白馬岳主稜は現代の装備ではさほど困難な箇所はありませんが、それは雪が安定した4月以降のことであり、厳冬期にこれを登るのは今でも大変です。
今回は残雪期の北アルプス、雪山バリエーションルートの入門コースとして白馬岳主稜をご案内いたします。
頂上直下の雪庇を越えてダイレクトに山頂に突き上げる爽快感、当面に位置するため美しい朝焼けが見られること、アップダウンがなくシンプルな装備だけでトライできることなど、まさに初級者にとっては理想的なラインです。
ゲートオープン前のまだ登山者が少ない時期に白馬尻にテントを張って、翌日は軽荷になってアタックします。
開催日
例年4月初旬から、猿倉への林道ゲートが開く4月27日頃まで
4月27日以降は林道白馬岳線が解錠されて登山者が多くなり、また雪も少なくなって主稜本来のボリュームある雪稜が楽しめなくなるのでちょっとイマイチです。
集合時間
二股の駐車スペースに初日の11時頃
または
松本駅アルプス口 午前9時50分頃
解散時間
二股の駐車スペースにて登攀日の15時頃
ルート詳細
1日目 アスファルトの車道歩きを2−2.5時間(除雪状況で変わります)、途中フキノトウなど山菜取りをしながら猿倉まで。白馬尻(標高1500m)周辺にてテントを張って、白馬岳の豪華な展望を楽しみつつ15時頃から山菜をつまみにして軽めに宴会。
2日目 2時起床、テントに宿泊装備を置いて3時頃白馬尻を出発、2000m周辺にてご来光を見ます。雪の状態が良い時は8時前後、遅くとも10時頃には白馬山頂直下、最後の雪壁に到着。渋滞が無ければ20分程度で山頂にトップアウト。その後、白馬大雪渓経由にて2時間程度で白馬尻へ。テントを撤収して下山。
登攀内容
基本的に全て雪の登攀になります。雪の少ない年は下部のリッジで若干の藪漕ぎがあるかもしれません。途中50度程の雪壁が何箇所かあります。ロープをつけて安全確保をしつつこれらを超えていきます。最後の山頂直下だけが最大で60度、ロープスケールで60mの雪壁になります。ここはダブルアックスが欲しいという方はご持参ください。
料金
お一人様 68000円(諸経費込み)
定員2名様まで
およそ必要な経験の目安
穂高連峰や剱岳の一般登山道縦走など
冬の八ヶ岳、天狗岳や赤岳、蓼科山など
クライミング経験はなくても問題ありません。
一般登山道をコースタイムより少し速いペースで8時間程度は歩けること。
必要装備
ハーネス(軽量なもの、ダイパータイプで良い)
ヘルメット
雪山用登山靴
12本平爪アイゼン
ピッケル(52cm以下のものが最後の雪壁では使いやすいです、ダブルアックスで)
ポール(雪のアプローチには欲しい)
ハードシェル上下(ジャケットはカッパかソフトシェルでも可)
シュラフ(700g程度かそれ以上のもの、厳冬期ではないのでさほど寒くはないです)
マット(エアマットがおすすめ、身長180cm以下なら120cm程度の長さで良い、レンタル可能)
食器類(食材は私の方で用意します)
保温ポット(暑がりの方は不要かも)
水類(登攀日は少なくとも2Lは欲しい)
日焼け止め(必須、雪で反射してとんでもなく陽射しが強い)
サングラス
汗拭きタオル(めっちゃ汗かく)
防寒具(ナノエアとかその辺を、寒がりの方はダウンパンツも)
ロッキングカラビナ2枚
120cmダイニーマスリング1本(ノーマルカラビナとセットで)
アプローチシューズ(最初のアスファルトの車道歩きで使います。猿倉にデポします)
申込要領
以下の必要な事項を成田までご連絡ください。
naritakenji0305@gmail.com
折り返し確認のメールを差し上げます。
住所、氏名、生年月日
緊急連絡先とその続柄
簡単な登山経験
山岳保険加入先