単独狩猟の講習

2023年シーズンより、単独狩猟の講習を行っております。
狩猟には、基本的な安全管理から、獲物との遭遇、射撃、解体に至るまで、様々な要素があります。
その中でも獲物との遭遇までの過程が、もっとも難しく、かつもっとも長い時間を要し、さらには狩猟の醍醐味となる部分です。
本講習は端的に言いますと、「撃たせる」という内容の講習ではありません。
「単独猟」とはどのように行うものなのかを学んで頂きたいと考えております。

グループ猟でタツマで撃つなら一年目でも獲れると思いますが、本州で単独で猟果を挙げるのはそれよりはるかに難しいです。

まずは銃砲の安全管理、そして冬の山を歩く狩猟の楽しみ、獲物との距離感の測り方、射撃のシュミレーション、などを細かく学んで頂きます。

安全管理の観点から、原則として講習で用いる銃はゲストの一丁のみといたします。

基本的にはマンツーマン限定ですが、友人同士に限って二名までお引き受けします。

山梨県、長野県以外の他県への出張も致します。その場合、猟場選びから始めます。

グループ猟が行われる猟場では単独猟は一切行いません、山奥まで歩きます。

全ての状況において遵法と安全を最優先いたします。

1.狩猟免許無しの方向け講習
これから狩猟免許の取得を考えている方向けの講習会です。

経験者に聞かなければわからない狩猟の魅力、グループ猟と単独猟の違い、罠猟と銃猟の違いなどを、山を歩きながら学んで頂きます。

実際の狩猟者としての指向性が自身でもまだわからない方も多いと思いますので、猟法の違い、犬の有無の違いを明確に学ぶことで、自身のやりたい狩猟スタイルの輪郭を掴んでもらえると思います。

当然、銃は持たずに山を歩きます。

獲物の痕跡を見て、その数、大きさ、行動目的、現在地との距離感、などを把握するように努めます。

こちらの気配を取られる前に、先に見つけられればベストですが、それはかなり難しいです。

猟場の歩き方、獲物が寝る地形、音を立てずに歩く工夫、実包の管理と持ち運び方、装備の工夫なども学んで頂きます。



2.単独忍び猟(狩猟免許有り)講習

お住まいの県、または近隣の県での狩猟者登録を猟期前にお済ませください。

可猟区で付近に民家がなく、かつ地域の猟友会の狩猟対象になっていない山深いエリアまで歩きます。
基本的にはゲストが銃を所持し、静かに前方を歩きます。

ガイドがその数m後ろを歩きます。その際、最小限の言葉で状況をアドバイスします。

獲物が近いと感じられる時は、獲物にプレッシャーを与えぬよう、静かに小さい動作で歩きます。

安全で正確な射撃には、事前のイメージが必要です。

どこから獲物が出て、どの方向なら撃てるということを常にイメージします。

実包の装填はガイドの指示のもとに、獲物の姿を確認後に行なっていただきます。

射撃のチャンスは1日に1−2回程度とお考えください。

撃てるチャンスを狙うというよりも、実際に獲物がいても撃ってはいけない状況を学んでください。

銃の種類は特に問いません。状況により優位な銃は異なります。遠くで止まっている獲物には遠射が効く銃が有利ですが、近くから飛び出してくる獲物には不利になります。照準器の有無も問いません。

獲物(主に鹿)は50m先で止まっていることもありますが、10m先から飛び出すこともよくあります。


3.単独犬猟講習

単独忍び猟の講習を経験した方のみを対象としています。基本的に犬はゲストの犬一頭を使います。

犬の動き、獲物を認識した時の犬の様子、鳴き声、挙動などで獲物の状況を判断します。

これはかなりその犬と一緒に山を歩かないと分からないです。

またGPSの画面上で察するべきことなどを学んでいただきます。

使う犬により表現は大きく異なります。

また同じ犬でも追っている獲物によりかなり表現が異なります。

犬の様子を見てどこまで状況を察することができるかが猟師としての力量です。

犬が獲物を散らしてしまうこともよくありますが、目の前まで追ってくることもあります。また犬がいなければその存在にさえ気づくことができない獲物もいます。
犬はときに状況を複雑にし、逆にシンプルにもしてくれます。

犬を使って獲れた獲物が犬との絆をさらに深めます。成果は別として、犬がいた方が猟は楽しいと思います。

犬の育成に関しては私が学ばせてもらった先輩がおりますので、そちらをご紹介させていただくこともあります。


4.山中泊狩猟講習

山中にベースを設けて猟を行います。

ベースの選定、宿泊の方法(避難小屋、タープ、テント)、調理の方法(ガス、焚き火)など、狩猟講習とともに登山技術、野営技術を学びます。

様々な装備が必要になりますので、上記の日帰りでの狩猟講習を経験された方が対象になります。


開催日

応相談です。平日中心になります。


料金

1日あたり 30000円


必要装備
動きやすく汗冷えしにくい服装(登山用品が良い、雨天中止なので雨具は不要)
靴は履き慣れたもの(軽登山靴、またはハイカットのアプローチシューズ、またはラバーソールの沢登りの靴、またはスパイク足袋、ゴム製長靴は急斜面に弱いため不可)
20L程度のバックパック
行動中の食料
保温ポット類
ナイフ
双眼鏡(忍び猟の場合)
銃を携行する方は法律で定められたもの、及び保険加入証明書類

登山保険に事前に加入してください。