川を下る

長い間、川を遡ることをしてきた。
それは端的に言えば、抵抗の意志の表現だったと言っていい。
私たちの世代は抵抗すべき社会や政治を持たなかった。これはそうでなかった時代からすれば、幸運なことだったかもしれない。
だから重力は逆らうことに意義があった。耐えて進むことがひとつの矜持だった。水の来し方を訪ねる。存在の根底にはなにかしら雫が落ちていて、それを汲み取ることで、心の杯は満たされたように思う。
おそらく、私達は若かったのだ。
遊びとは自然のなかの妙味を見つけることかもしれないと気づいたのは比較的最近のことだ。
そのことは、水が教えてくれた。
流れたり渦巻いたり凍ったり、魚を泳がせたりする水の回りで遊んでいたら、もっとその内情を知りたいと思うようになった。
水の旅の行き先を、どこでなにに出会ったのかを。








源流と雪山ガイド「霧の旅」

源流ネイティブトラウト テンカラ:ルアー:フライフィッシング アイスクライミング 雪山:狩猟 ガイド

0コメント

  • 1000 / 1000